2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

位相

やっと位相(の初歩)がわかったような気がする。ハサミで切っちゃダメなんだよ。糊でつけてもいいけど。

デイヴィドソンと指示

デイヴィドソンが自分の理論は充足という概念を必要とするが、単純な指示を必要とはしないことを力説する意図は、正直言ってまだうまく飲み込めない。しかし、彼が「概念枠組み」というものを否定することから、彼の理論が指示についての困難な問題を回避し…

哲学の落とし穴

17世紀のデカルトから20世紀の半ばまで、多くの西洋哲学者が陥ってしまった落とし穴があるように思う。それは、マッハ主義に顕著なのだが、理論や実践が要請するために想定しなければならない存在者は、「仮設的」存在者であり、したがって非実在的である、…

合理性

たぶん、僕は知識の因果説、認識的正当化の外在説を支持していることになると思う。しかし、知識の得るための因果関係のあるタイプや、(ソウザの徳認識論のような)知識を得る能力や性質が知識の正当性そのものであるとか、あまつさえ人間の合理性の本性であ…

ヨーロッパの伝統

たぶん、どこかで書いたことだが、西洋哲学のある伝統、言語と理性を根拠に人間と動物の圧倒的な非連続性を強調するという伝統だけは、僕には不思議なものに見える。もし犬がしゃべられるとすればこう言うだろう、という想像を行うことは、その前件が事実に…

デイヴィドソン:信念と合理性(2)

仮に、僕にある人が「私は、食パンが太陽の左前方を素因数分解している、と信じている」と言ったとしよう。僕は、この言明を理解することができない。「食パンが太陽の左前方を素因数分解している」とはどういうことなのか、さっぱり分からない。従って、彼…

合理性

人々の意見が異なっている場合でも、僕たちお互いに、相手がそれなりに合理的だと想定することができる。そして、意見が異なることを説明するのに、合理性のあり方が人によって違うと考える必要はない。そうではなくて、たんに知っている事実や注目している…

デイヴィドソン:信念と合理性(1)

デイヴィドソンは、言語コミュニケーションができない対象に信念を帰属させることはできないという。僕には、これは極端すぎる主張のように思える。ただ、こういうことは許されるだろうと思う。ある対象が言葉をしゃべることが想像できないような場合、その…

僕はなぜこの僕なのか?

これを告白するのはものすごく羞恥心を感じてしまうのだが、「僕はなぜこの僕なのか?」という誰もが思いつくような問い、いかにも思春期的な問いが、僕の哲学への関心をずっと引っ張ってきた。そして、この問いにやっと答えが出たような気がするので、その…

キリスト教

最初期のキリスト教徒*1が、「賢さ」を道徳的性質の一つに数え上げなかったことは、当然かもしれない。ニーチェの議論も興味深いが、たぶんそれとは違った意味で、彼らが知的卓越性を道徳的性質に数え挙げなかったことには、彼らなりの理由があるように思う…

道徳的性質

そこで、マッキーにとって重要な問いとは、言語哲学的な問いではなく存在論的な問い、すなわち「実在的で客観的な道徳的性質は存在するか」という問いであり、それに対する彼の答えは「存在しない」である。この結論に至る彼の中心的な論証は、彼が「奇妙さ…

「大きな物語」

いわゆる「ポストモダン」を評して、「大きな物語の終焉」ということが言われる。「大きな物語の終焉」という表現には、ある世代のフランスの知識人にとっては、たんに抽象的な意味合いではなく、特定の二つの代表例への示唆が含まれているように思う。キリ…

相対主義

例えば、本をいっぱいにつめたダンボール箱を宅急便で送ろうとしたら、「重いですね」と言われるかもしれない。でも、プロレスラーのトレーニング用には、重さが不足しているかもしれない。また、僕にとって栄養十分な食事でも、水泳選手にとってはあまりに…

逆転クオリア(2)

あれ? 逆転クオリアは、行動主義や機能主義への反論だっけ?それなら、もちろん、何の問題もなく反論になっていると思う。

逆転クオリア

逆転クオリア同等の物理現象に対して、異質のクオリアがともなっている可能性を考える思考実験。色についての議論が最も分かりやすいため、色彩について論じられることが最も多い。同じ波長の光を受け取っている異なる人間が、異なる「赤さ」または「青さ」…

初音ミク

"Hatikva" http://jp.youtube.com/watch?v=a0-n1kNqf1sイスラエルの国家。自分の全然知らない言語なんで、発音なんか全然気にならない。コメント欄のやり取りも意味不明で面白い*1。 「日本人クズ。中国人と日本人は大嫌い」 「古代日本人のルーツはユダヤ人…

今日思いついた哲学ジョーク

「センスデータ論者は、『ビール』を飲むことができないんでしょ? 『ビール』のセンスデータを飲んでるだけだから。」「しかし、センスデータ論者も、美味いと感じることはできるのだよ」

ウィキペディア「初音ミク」項削除騒動の法的分析

これは私的なメモです。公権的な法解釈を提供するものでも、標準的な法解釈であることを保証するものでも、日本語版ウィキペディアコミュニティやウィキメディア財団の公式見解を表明するものでもありません。「初音ミク」項の当時初版が著作権侵害であった…

意識とは?

今考えていることのメモ。 僕たちは他者の意識を直接知覚することができない。→脳にそのインターフェースがないことの帰結。 意識は何かに集中するとき、一つのものにしか集中できない。→議論の順序が逆。意識が集中できる「範囲」ないしを「対象」を僕たち…

形而上学とは?

形而上学とは、端的に言えば「存在論」。形而上学のトピックで、科学志向の人にとって分かりやすい例は、「数学的プラトニズム」と「量子力学の観測問題」だと思う。 数学的プラトニズム 数学的プラトニズムとは、自然数とか実数とかいう数学的構造がそれ自…

道徳について

はじめに 中学生・高校生くらいを対象に想定して、今から、道徳についての話を書いてみようと思います。 ただし、これは「何々は道徳的に善い」「何々は道徳的に善い」という断定とか、命令とか、あるいは提案をするのが目的ではありません。そうではなくて…

循環論法と知識の全体論

循環論法は嫌われる。これにはもっともな理由がある。循環論法は、さまざまな偽なる命題を正当化するために使われてきた。しかし、循環論法を擁護する、もっともな理由もある。プラトン以来、哲学者は「知識の確実な基礎」を求めて苦闘してきたが、その中で…

法解釈

法解釈とは何か?それは、(1)法文の日本語として可能なある解釈を示し、(2)その解釈に従うべき理由を与えるものだ。法学者や裁判官が法解釈論を考えるとき、必ずこの二つのステップにこの順序で従っているというわけではない。また、法解釈を示すときでさえ…

『法の帝国』ダイジェスト

ドゥウォーキンは『法の帝国』しか読んでいないし、その内容もかなり忘れてしまったが、『法の帝国』の議論は、大体、つぎのようなものだったと思う。 「法とは何か?」という問いに対して、明確に外延を定めるような、単純な定義はありえない。なぜなら、こ…

民主主義の擁護

ある民主主義の擁護論が思いついたので、メモする。これは共和主義の思想に近いだろうと思うが、共和主義がどのようなものなのか僕は良く知らないので、単純に僕が思いついたある擁護論としてメモする。 出発点として、論理性と合理性を区別して、合理性を擁…

仏教

仏教とは宗教ではなく哲学である、といったことが言われることがあるが、僕は、仏教とは宗教だと思う。 そのトリヴィアルな根拠は、最初期の仏教経典にさえ、釈迦の超能力に言及する描写があり、人々が彼がその超能力を持っていることを根拠として(少なくと…

クール・マインドとウォーム・ハート

そういう人間になりたい。

道徳的判断と認知的判断

ナチ党員は邪悪であり、かつまた彼は世界について非合理な見方をしている。ナチ党員についてのこの二つの事実は、結びつき、相互に関係しあっている。しかしそのことは、ナチ党員が邪悪であるのは、主に、彼の世界観の非合理性が邪悪を構成するという意味で…

論理の心理説

論理の心理説のどこがまずいのか良く分からなくなってきた。「ある推論(導出)が論理的であるということは、僕たちの脳がそれを極めて信頼するように、進化の過程で形成されてきたということである」「論理学とは、人間の精神を研究する一つの方法である」「…

霊感

僕がキリスト教徒に尋ねてみたいことがある。新約聖書が聖霊によって書かれたことを認めるとしても、クルアーン(コーラン)が聖霊によって書かれたことは、どうやって否定できるか?新約聖書はたしかにイエスについて書かれたものだが、新約聖書はイエスによ…