2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

自由意志

僕は、「経験」を客観的(ないし間主観的)なものだと考えてみることにした。少しフライングして言えば、他者の「クオリア」でさえ、客観的だと思う。大雑把に言えば、僕たちは、他者の(身体的な)痛みや、恋や嫉妬という感情を観察できる。電流計を通して、電…

パトナムとローティ

「対象なしの客観性」の立場のパトナムと、ローティは、かなり近いといって良いと思う。しかし、パトナムは、ローティの言い回し、例示、文化帝国主義を決して受け入れることはできないだろう。パトナムは、ユダヤ人だから。 パトナムにとっては、モーセもま…

共同体主義と普遍主義

リベラリストなり、何なりの共同体主義への反対者が感じる「不安」というのは、それが「異なる『伝統』に属する人々の間の公共的議論の不可能性」を示唆していることである。しかし、それを否定するのに何らかの思想は必要ない。端的に、それは経験的証拠に…

客観性

「神様なんて実在しない。だから、神様についての客観的な知識なんてありえない」「普遍的な倫理なんて実在しない。だから、普遍的倫理についての客観的な知識なんてありえない」という型の主張、一般化すると「あるものの非実在性から、そのものについての…

友人とのチャット

ログを加工して再現。 mzsms: 最近、面白いラテン語おぼえた。 友人: ラテン語? mzsms: 「クール・デウス・ホモ」 友人: ホモw mzsms: なんとなく801。 友人: 意味は? mzsms: 「なぜ、神は人となったのか?」っていう意味。神学上の重要問題。 mzsms: キ…

素朴実在論

やっと、素朴実在論を理解できたような気がする。重要な視点は、「経験」とはパブリックなものなのか、プライベートなものなのか、という点なのだろう。素朴実在論者は、「経験」とはパブリックなものだと考える。科学の基礎となる経験はパブリックなもので…

神と人間と自由意志

一度読んでさっぱり理解できなかった神学の入門書*1を読み返すのが、なかなか楽しい。少し読んで、あれこれと考えてみて、また少し読んでの繰り返し。さて、キリスト教における唯一神の「全能性」というのは、極めて難しい問題を引きおこす。神が全知全能の…

聖霊

キリスト教の「聖霊」について勉強中。正統的理解からいえば、つぎのことは間違いないだろう。「聖霊は一つのペルソナ(人格)であり、そして一つしかない」。だから、映画や小説を見てるとときどきそう思えてしまうような「それぞれの人の魂に、それぞれの聖…

健やかさと病

資料を見ずに記憶で書いているので間違っているかもしれないが、ニーチェは、彼のいう「奴隷道徳」について奇妙なダブルスタンダードをとっている。彼は、少なくとも彼の生きていた当時の「奴隷道徳」を激しく軽蔑し、罵倒している。他方で、彼の倫理的相対…

道徳非実在論の認知主義

メタ倫理学における認知主義、つまり「道徳的に何が善であるかについて、我々は決断するのではなく、認識するのである」という立場でありながら、同時に道徳非実在論、つまり「道徳的に何が善かは、(現実に存在する性質や存在者からは?)客観的に決まらない」…

『キリスト教神学入門』

キリスト教神学入門作者: アリスター・E.マクグラス,Alister E. McGrath,神代真砂実出版社/メーカー: 教文館発売日: 2002/02メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (16件) を見る知らないことがいっぱいで、理解するのに一苦労。 長…

「嘘をつくこと自体が道徳的に悪いことか?」 数年、これを考えているが、いまだに答えが出ない。少なくとも、嘘がバレたときに嘘をつかれたというそのこと自体によって不快感を感じることがあるので、その限りで嘘をつくことは功利的に悪い。また、ルール功…

近代人

近代人であるということは、「世間の常識」と自分の信念の乖離に悩むということである。そうすると、社会の誰もが「世間の常識」との乖離に悩んでいるというのが、近代社会なのだろうか?

直接実在論

直接実在論の議論は、つぎのように理解できるかもしれない。僕が十円玉をある角度から見ると、それは「茶色い円」に見える。また別の角度から見ると「茶色い細長い長方形」に見える。触ると「冷たい」。また、噛むと「硬い」。センスデータ説は、こう主張す…