『地獄少女 三鼎』『鉄のラインバレル』『屍姫 赫』

久々にアニメを観る(Biglobeで年末年始の無料視聴フェアをやっているみたい)。

地獄少女 三鼎

13話まで観た。

ありがちな評価だが、やはり第一作がいちばん面白く、シリーズが続くにつれて面白さが減っているように思う。こういう評価って、新鮮さが減るということもあるし、第一作のファンであればそれとの差異がアラに見えてしまうわけで、どこまで公平なのか分からないけど。

その前提で、いちおうどこが不満かというと、呪い殺すことに共感できる話がない、というところが不満。

地獄少女の絶対ルールが、呪った相手は即座に地獄に行くが、呪った自分は死後は地獄に行く(「人を呪わば穴二つ」ルール)というもので、基本的に、完全なハッピーエンドはありえない。完全なハッピーエンドがありえないから、完全な勧善懲悪もありえない。このアイデアとその徹底自体は、良い。

とはいえ、やはり、何の落ち度もない被害者がいて、呪い殺されるに足りる加害者がいて、そして呪い殺すという話、被害者は懸命に賢く、かつ正しく生きようとしたのだから、これ以外に結末はなかったのだとやるせなくなる話が、第一作には多かった。その合間に、完全な誤解や逆恨みなど救いようのない話があり、「人を呪わば穴二つ」ルールによって、地獄通信が自体は善でも悪でも、正義でも不正義でもない超自然的なガジェットであることが浮き彫りになり、それをうまく使いこなせない人間の愚かさが映し出される。

ところが、『地獄少女 三鼎』では、どちらかといえば誤解や逆恨み、呪い殺す側の愚かさ・無理解や我侭といった印象の話が続き、ひたすら人間の愚かさが繰り返される。これでは、地獄通信や地獄少女は、人間に仕掛けられたブービートラップで、愚かな人間がただそのトラップに引っかかっていく話に見える。そういう話も面白いんだけど、味わいが単調すぎる。

鉄のラインバレル

12話まで観た。

うーん、お色気・ラブコメが単調。女子更衣室での着替えをのぞいて、何かかやあって後で許されるとか、使い古されすぎていない? しかも、登場人物が中学生なんだとたまに思い出すと、なんか、ちょっとゲンナリ。まぁ、お約束といえば、そうなんだけど。

しかし、スーパーロボット的なロボットと(なんせ、上に手をかざして呼べば来るんだから)、いわゆるリアルロボット的ロボットが入り乱れて戦うアクションや*1異世界から世界征服に来ましたというケレン味たっぷりな敵の総帥、矢島の男気、やらと壮大な設定とか、燃える要素は十分。

屍姫 赫

1話まで観た。

こういう超人的身体能力を持つ制服少女が、怪人とバトルをするというアニメは好きだが、主役が棒読みすぎ。そういう無感情な人物という演出ならまだ許せるが、セルの表情の豊かさから考えて、そうではなさそう。宮崎駿は、アニメ声優の「如何にもアニメっぽいクセ」が嫌いらしいが、バトルアニメでそんなこと言っていても仕方ないだろう。

*1:実際には大抵の「リアルロボット」の主人公機はスーパーロボット的なところがあるし、リアルロボットものとスーパーロボットものというはそれほどはっきりと区別できるわけではないけど、初めからはっきりと設定上リアルロボットとスーパーロボットの二種類が存在します、となっているものは少ないように思う。