『ストラトス・フォー』シリーズ・『ロケット・ガール』

ストラトス・フォー』シリーズは,いろいろ面白いSF的ガジェットが詰め込まれていて,楽しい。でも,せっかくのガジェットも,じゃっかん消化不足。


『ロケット・ガール』(5話まで)は,ヒロインである女子高生の体型の小ささ・軽さに目をつけた宇宙開発事業団体の大人たちが,半強制的・半詐欺的な勧誘によってヒロインを宇宙飛行士にしてしまうという冒頭の展開が,面白い。

しかし,「宇宙バカ一代」的な大人たちが自分たちのエゴイズムのために,ヒロインを遠心分離機に詰め込んで振り回すわ,拳銃射撃訓練を無理やりさせるわ,ヘリからジャングルに突き落としてサバイバル訓練させるわという描写が,児童虐待を見ているようで,ちょっとエグい気分になる。

その分,ヒロインが元気娘,生意気,暴力的で力いっぱい反発することで,なんとかバランスと取ろうとしているけど。


どちらも,「ハードSFっぽい近未来SF」というすごく好きなジャンルなんだけど,その分点数が辛くなっているのかも。

ただ,『ストラトス・フォー』シリーズも『ロケット・ガール』も,少女に「体にピッタリ宇宙服」を着せるけど,その必要はないと思う。なんというか,せっかくのハードSF風味を減じるし。だいたい,モコモコした宇宙服着たタナベは十分可愛かったぞ(『プラネテス』)。