『ゼーガペイン』

サンライズのロボットアニメ。

(たぶん)毎回ロボット戦闘シーンが出る,主人公は「熱血野郎」である,複線は回収する,SFっぽいガジュット,理屈っぽさがある,意味の分からない心理描写で引っ張らないというわけで,「きちんとしたロボットアニメ」というのが僕の評価。ロボやキャラのデザイン,ユリの花などを多用するリリカル?な美術演出は好きなので,その点からも高評価。

ルーシェン・メイウー・メイイェンの三角関係にやきもきしながら観てたが,最後の最後でルーシェンには想い人がいて… という展開になった挙句に,ルーシェンはホモでしたというオチになったのは衝撃的だった。それでもルーシェンに笑顔で応えるメイウーが健気。まぁ,『ゼーガペイン』に出てくる女は,全員「一途で健気」だが(シンでさえ)。

リョーコの悲劇っぷり,健気っぷりは確かに感情を動かされるところはあるけど,(少なくとも視聴者には)キョウにその気はないのが分かっているのに「私のことは放っておいて,シズノ先輩と幸せになって」とか言い出すのは,さすがにあざと過ぎて好きになれない。

というわけで,僕はミナト派。彼女が一番,素直で,駆け引きっぽさがない。それに,あのタイツが反則ですよ!


「仮想現実の世界で永遠に生きること」と「現実世界で肉体をもって生きること」のどちらがすばらしいかという問題について,「分からん。分からんが,ニセモノだと分かってそれを生きるのは,なんかイヤだ」という回答*1は,納得できる。


友人は,ラストの展開について『たったひとつの冴えたやりかた』との類似性をいうけど(そしてそれ自体に反対じゃないけど),「生めよ,増やせよ,地に満ちよ」な感じのする最後のカットは,むしろ非ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア的な印象を受ける*2

*1:と僕は解釈した。

*2:ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの生殖観は,「悲しいけれど,避けることはできないもの」というイメージだと思う。この「悲しさ」を表現したアニメには,まだあっていない。