全体主義

日記: 2007.6.13」を読んで,いくつか脈絡なく思ったことをメモ。

  • どうして,全体主義者は,自分が全体主義者だということに気づかないんだろう? まぁ,不思議でもなんでもなく,内省と知的誠実さが足りないだけなんだろうけど。
  • 全体主義者であるかどうかのリトマス試験紙の一つは,「実際のところ、民主制は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた民主制以外のあらゆる政治形態を除けば、だが」(by チャーチル)*1に同意するかってことかもしれない。
    • 前段「実際のところ、民主制は最悪の政治形態と言うことが出来る」ということに同意する人は,現在の英国や日本のような民主制国家において,多くの愚かな,誤った,正しくない政治的判断,政策が行われていると考えているのだろう。
    • 前段に同意する人は,加えて,そのようなダメな政策が行われている理由の少なくとも一部は,国民の多数がダメだ,つまり愚かだとか,道徳的に劣悪だとかということだと考えているのだろう。なぜなら,民主制を前提にすれば,国民が十分に優秀で有徳であればダメな政策は行われないだろうから。
    • その上で後段「これまでに試みられてきた民主制以外のあらゆる政治形態を除けば、だが」に同意する人は,国民がダメなために,ダメな政策が行われている現実の民主体制を,それでもなお維持することを支持しているということになるだろう。
    • それはなぜかといえば,政策についての自分の判断の正しさよりも,国民の政治参加の自由を尊重するからだ

*1:"Indeed, it has been said that democracy is the worst form of government except all those other forms that have been tried from time to time." ウィンストン・チャーチル - Wikiquote