『コードギアス 反逆のルルーシュ』
ロボット・超能力・駆け引きバトル*1・学園もの・ラブコメ・美少年・ハーレム・ミステリー・政治劇・古代文明… とあらゆる要素をゴッタ煮にしたのに,それぞれの素材の味を損なわずに,面白いものに仕上がっている。あ,ゴッタ煮ではなく,サラダボウルか。いずれにせよ,快作。
惜しむらくは,ヒーローたちが壁をパンチでぶち抜いたり,火を噴いたり,腕が伸びたり,空を飛んだりする「超人バトルもの」の要素が入っていない*2。
えーと,何を書こうとしたんだっけ? 「シャーリーは,物語のメインに復帰しないのか?」うーん,それじゃない。「ヌー姉さんは,どうなったの?」気になるけど,それじゃない。「ニーナの死亡フラグは,回避できませんか?」「ナナリーは,絶対,どこかで死ぬよね」「このアニメ,なんだかんだいって,ヒロイン使い捨てだよね」それでも,これでもない。
ああ,そうだ。『コードギアス』は,「さて次の企画は - 次世代の少年モノのストーリー展開の解題」に書かれている「次世代のD.T.ストーリー」の一例,あるいは一変種になっているんじゃないかと思う。
主人公は「白」と「黒」の少年が二人。主人公それぞれは先天的な天才で、深刻なトラウマを抱えているが、その主体を二つに分割し、ストーリーをツーマンセルで引っ張ることにより、90年代以降の「引き籠もり」傾向を回避しようとする。「白」は「黒」より未熟で弱いがポリティカルコレクトネス的に正しく少年モノの王道を進む。「黒」は「白」より強いが、殺人・変態・サイコ衝動を含む自身の汚れを知るがゆえに「白」にコンプレックスを抱き、「白」を助けたいと思っている。
さて次の企画は - 次世代の少年モノのストーリー展開の解題
それだけ。